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AI時代の企業信頼をどうつくるか——いまC認証が必要とされる理由

  • 1 時間前
  • 読了時間: 7分

ChatGPTやClaudeのような汎用AIはもちろん、普段使っているSaaSや業務ツールにも、気づかないうちにAI機能が搭載されている——これが2026年の企業の日常です。専門職に限らず、非エンジニアがGitHub Copilotや生成AIを使って業務ツールや自動化フローを自分でつくることも、もう珍しくありません。


便利になる一方で、企業側には新たな課題も生まれています。会社として導入したAIだけでなく、社員が個人の判断で使っているAI、既存ツールに後から追加されたAI機能、業務の中で自然に使われている自動化フローまで、AI利用の全体像が見えにくくなっているからです。


いま企業に問われているのは、「AIを使っているかどうか」ではなく、「AIを安全に使える体制をつくれているか」「何かが起きたとき、その原因と対策を説明できるか」です。

今回は、AIガバナンス/C認証に関わる四宮さんに、いま企業がC認証を検討すべき理由を聞きました。


最近のAI活用の広がりで、企業が向き合うべき課題はどう変わってきていますか? 


一番大きいのは、「AI搭載かどうかの境目」がすごく曖昧になってきたことだと思います。


以前は、AIサービスとそうではない業務ツールが比較的はっきり分かれていました。新しいAIサービスを導入するタイミングで、会社として利用可否やルールを判断することもできました。


でも今は、もともとAIを搭載していなかったSaaSや業務ツールにも、後から要約機能や生成機能などのAI機能がどんどん組み込まれています。社員が「これはAIが関わっているツールだ」「入力した情報がAIに処理される可能性がある」と自覚しないまま使っているケースも増えているのではないかと感じています。


それに加えて、非エンジニアでもGitHub Copilotのような生成AIを使えば、簡単な業務ツールや自動化フローを自分で実装できる時代になっています。これは非常に便利なことですが、裏を返せば、会社が把握していないところで、新しいツールや業務フローが日々生まれているということでもあります。


だからこそ大事なのは、「AIを使っているかどうか」ではなく、「自社でどのAIを、誰が、どのような目的で使っているのかを、会社として把握できているかどうか」だと思っています。


その中で、企業が気づきにくいリスクは何だと思いますか?


一番のリスクは、いわゆる「シャドーAI」です。会社が把握していないAI利用のことですね。


社員は、リスクを生もうとしてAIを使っているわけではありません。むしろ、業務を効率化したい、早く終わらせたい、より良いアウトプットを出したいという善意で使っているケースがほとんどだと思います。


ただ、会社としてその利用を把握できていないと、どんな情報が入力されているのか、どんな判断にAIが使われているのかが見えなくなってしまいます。機密情報を入力していないか、AIの出力をどこまで確認しているのか、利用規約やデータの扱いを理解したうえで使っているのか。そうした部分が、個人の判断に委ねられてしまいます。


先ほどのGitHub Copilotの話もそうですが、非エンジニアでも簡単に実装できるようになったことで、会社が知らないところに、機密情報を含んだ業務フローや自動化の仕組みが生まれている可能性もあります。


個人の判断基準やAIリテラシーに依存して、部署ごと・社員ごとに運用がバラバラになっている状態は、今後インシデントにつながりやすいと思っています。



何か起きたとき、企業が説明責任を果たせるかどうかは、なぜ重要なのでしょうか?


これは今後、すごく重要になってくる視点だと思っています。


たとえば、「どのAIを、誰が、どのようなルールで使っていたのか」を説明できる会社と、何も把握できていない状態から原因を探す会社では、信頼のされ方が大きく変わります。


体制を整えていても、問題が起きる可能性はあります。ただ、リスクを把握し、ルールを設けたうえで起きた問題なのか、そもそも管理していなかったために起きた問題なのかでは、受け取られ方がまったく違います。


これから先、「説明できる状態をつくれているか」は、企業規模に関係なく、すべての会社に求められるものになっていくと思います。




C認証は、どのような企業に必要な認証なのでしょうか?


結論から言うと、C認証は、AIを活用するすべての企業に必要になっていく認証だと思っています。


繰り返しになりますが、AI活用は一部の先進企業だけのものではなくなっています。だからこそ、自社でどのAIが使われているのか、どのような情報が入力されているのか、どのようなルールで管理しているのかを説明できる状態にしておくことが重要です。


特に、すでに複数のAIサービスを使っているものの利用実態を把握しきれていない企業にとっては、C認証の取得を目指すことが、AIガバナンスのコアとなる体制を整えるきっかけになります。


C認証では、利用するAIの把握、リスク対応の体制、リスクアセスメント、リスクへの対応といった、AIを安全に活用するための基本的な仕組みが整っているかを確認します。だからこそ、何から整えるべきかを整理しながら、実践的に体制づくりを進めやすくなると思っています。


また、すでにAIガバナンス体制を整えている企業にとっても、第三者に認められた形で対外的に示せることは、信頼や差別化につながると思っています。



「今すぐ取らなくてもいいのでは」と考える企業もあると思います。後回しにすると、何が変わるのでしょうか?


正直に言うと、「今すぐ取らなくても大きな問題にはならない」と感じる企業もあると思います。ただ、企業におけるAI活用は、すでにかなり広がり始めています。


たとえば、総務省の令和7年版情報通信白書では、日本企業のうち何らかの業務で生成AIを利用している割合は55.2%とされています。一方で、中小企業では生成AIの活用方針を明確に定めていない企業が約半数を占めています。


つまり、AI利用は進んでいる一方で、方針や管理体制の整備が追いついていない企業もまだ多いということです。だからこそ、後からまとめて対応するのではなく、早い段階で社内のAI利用状況を把握し、ルールやリスク対応の体制を整えておくことが重要だと思っています。


あくまで私個人の意見ではありますが、C認証も将来的には、PマークやISMSのように「企業として一定の体制があること」を示すものとして見られるようになっていく可能性があると思っています。


だからこそ、必要になってから慌てて対応するよりも、今のうちからAI利用の実態を把握し、説明できる体制を整えておくことが大切だと思っています。早い段階で取り組むことが、将来のリスクを抑えるだけでなく、企業としての信頼を積み上げることにもつながるのではないでしょうか。



これからC認証を検討する企業に伝えたいことはありますか?


C認証は、AI活用を止めるためのものではありません。企業が安心してAIを使い続けるためのものです。


AIツールやAI機能は、これからも増え続けます。それに比例して、「気づかないうちに起きているリスク」も増えていきます。今の段階で何も整理できていないと、何かが起きたときに原因を説明できず、対応も後手に回ってしまいます。


一方で、リスクを正しく把握し、説明できる体制を整えておけば、それ自体が取引先や顧客に対する信頼の材料になります。「自社はAIを責任ある形で活用できています」ということを、自分たちの言葉だけでなく、第三者の目で証明できる。これが、これからの企業に必要とされる状態だと思います。


弊社はこれまでC認証の取得支援を数多くご支援してきましたし、審査員としても関わらせていただいています。だからこそ、ゼロから体制をつくる大変さも、実際に何が聞かれ、何が評価されるのかも理解しています。


危機感を持っていただきたいテーマではありますが、それを一緒に整理していける相手がいる、ということも同時に知っていただけたらと思っています。


まずは、自社でどのようにAIが使われているのかを整理するところからでも良いと思います。少しでも不安や課題感があれば、早い段階で一度相談していただけると、一緒に考えられることがあると思います。



Elithでは、C認証の認定コンサルティング企業としてAIガバナンス体制の整備やC認証取得に向けた支援を行っています。組織でAIを活用するうえでのルールやガイドラインの策定、社内体制の整備などにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


「何から始めればよいかわからない」「自社の現在地を整理したい」といった段階でのご相談も歓迎しています。具体的な内容がまだ決まっていなくても、現状に応じた進め方から一緒に整理いたします。


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