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C認証とISO/IEC 42001の違いとは?AIガバナンス認証の選び方を解説

  • 10 分前
  • 読了時間: 7分

AI活用が広がる中で、企業には「AIを使っている」だけでなく、「AIを責任ある形で管理できている」と説明できる状態が求められています。


国内では、AIガバナンス体制を整えるための認証としてC認証があります。一方で、国際規格としてISO/IEC 42001もあり、「何が違うのか」「どちらから取り組むべきなのか」がわかりにくいと感じる企業も少なくありません。


今回は、AIガバナンスやマネジメントシステムの整備に関わってきた武下さんに、C認証とISO/IEC 42001の違い、それぞれが向いている企業、認証取得後に注意すべきポイントについて聞きました。



まず、C認証とISO/IEC 42001は、どちらもAIガバナンスに関するものだと思います。大きく見ると、どのような違いがあるのでしょうか?


C認証とISO/IEC 42001は、どちらもAIガバナンスに関する認証・規格ですが、見ている範囲や目的が少し違うと捉えるとわかりやすいと思います。


C認証は、企業がどのようなAIを使っているのか、それぞれにどのようなリスクがあるのか、どのような対策をしているのかを整理することに重点があります。いわば、AI利用の棚卸しやリスク対策を進めるための実務的な認証です。


一方で、ISO/IEC 42001は、AIに関するマネジメントシステムの国際規格です。一般的に、AIの企画、開発、提供、運用、見直しといったライフサイクル全体を通じて、組織として継続的に管理・改善していく仕組みが求められます。


なので、どちらが上というよりも、対象範囲と目的が違うと考えるのがよいと思います。



C認証は、どのような企業に向いている認証だと思いますか?


C認証は、すでにAIを使っている企業や、社内でAI利用が広がっている企業に向いていると思います。


たとえば、生成AIツールを業務で使っている、AIを組み込んだシステムを使っている、外部サービスの中でAI機能を利用している、といったケースです。その場合、まずは「自社でどのAIを使っているのか」を把握することが重要になります。


そのうえで、それぞれのAI利用にどのようなリスクがあるのか、どのようなルールや対策が必要なのかを整理していく。C認証は、そのための入口として取り組みやすい認証だと思います。


特に、顧客や取引先に対して「自社はAIを適切に管理しています」と説明したい企業にとっては、C認証は有効な選択肢になり得ます。



一方で、ISO/IEC 42001はどのような位置づけの規格なのでしょうか?


ISO/IEC 42001は、AIマネジメントシステムに関する国際規格です。


一般的に、ISO/IEC 42001では、AIに関する方針や管理体制を定めるだけでなく、それが実際に運用されているか、記録が残っているか、定期的に見直されているかといった点も重要になります。


つまり、ルールを作って終わりではなく、組織としてAIを継続的に管理・改善していく仕組みが求められるということです。


そのため、AIプロダクトを自社で開発・提供している企業や、AIを事業の中核に位置づけている企業、グローバル展開を見据えている企業にとっては、ISO/IEC 42001を検討する価値があると思います。



まだAIガバナンス体制が整っていない企業が、いきなりISO/IEC 42001を目指すのは難しいのでしょうか?


できなくはないと思いますが、準備の負荷は大きくなりやすいと思います。


ISO/IEC 42001では、AIに関する管理体制や運用フロー、リスク管理、記録、内部監査、継続的改善の仕組みなど、幅広い要素を整える必要があります。


特に、社内でどのAIが使われているのか、どのようなリスクがあるのか、どのようなルールで管理しているのかがまだ整理されていない状態だと、いきなりマネジメントシステム全体を作るのは大変です。


その意味では、まずC認証を通じてAI利用の棚卸しやリスク整理を進めることは、ISO/IEC 42001を目指すうえでも土台づくりになると思います。



C認証とISO/IEC 42001は、どのような順番で考えるとよいのでしょうか?


企業の状況によって変わりますが、まだAIガバナンスの体制が十分に整っていない場合は、まずC認証から考えるのが現実的だと思います。


C認証では、自社のAI利用状況を棚卸しし、リスクや対策を整理していくことになります。これは、AIガバナンスの土台を作るうえでとても重要です。


そのうえで、AIプロダクトを開発・提供している、海外の取引先や顧客に説明する必要がある、組織全体のマネジメントシステムとしてAIを管理したい、といった場合には、ISO/IEC 42001を検討していく流れが自然だと思います。


もちろん、すでにAIに関する管理体制が整っている企業であれば、最初からISO/IEC 42001を目指す選択肢もあります。ただ、多くの企業にとっては、まず自社のAI利用の現在地を把握することが重要です。



ISO/IEC 42001を検討した方がよい企業には、どのような特徴がありますか?


まず、AIプロダクトやAIサービスを自社で開発・提供している企業は、ISO/IEC 42001を検討する価値があると思います。


AIシステムを企画し、開発し、提供し、運用していく場合、そのライフサイクル全体でリスクを管理する必要があります。ISO/IEC 42001は、そうしたAIマネジメント体制を組織として整えるための国際規格です。


また、グローバル展開を見据えている企業や、海外の取引先・顧客に対してAIマネジメント体制を説明する必要がある企業にとっても、ISO/IEC 42001は信頼性を示す材料になり得ます。


一部の担当者だけでAIを管理するのではなく、組織全体の仕組みとして運用していきたい企業にも向いていると思います。



認証取得後に、企業が特に注意すべきことは何でしょうか?


一番大事なのは、認証取得をゴールにしないことです。


C認証でもISO/IEC 42001でも、ルールや規定を作っただけでは十分ではありません。それを実際の運用に落とし込み、継続的に見直していくことが重要です。


AIの利用状況は変化が速いです。新しいAIツールが導入されたり、既存のAIの利用範囲が広がったり、法規制やガイドラインが更新されたりすることもあります。


そのため、一度整理した内容も、定期的に見直さないと実態に合わなくなる可能性があります。認証取得後も、AIの利用状況を継続的に把握し、リスクを見直し、必要に応じてルールや運用を改善していくことが欠かせません。



AI利用を継続的に管理するうえで、可視化の仕組みも必要になるのでしょうか?


必要になると思います。


AI利用が限られた範囲にとどまっているうちは、人手で管理できる部分もあります。ただ、利用するAIツールが増えたり、利用部門が広がったりすると、誰がどのAIをどのように使っているのかを人手だけで把握し続けるのは難しくなります。


特に、生成AIのように現場で使いやすいツールは、気づかないうちに利用が広がることもあります。そのため、AI利用の棚卸しを一度行うだけでなく、継続的に把握できる仕組みを整えることが重要です。


今後、AIガバナンスを実効性のあるものにしていくうえでは、AI利用の可視化や管理の仕組みはますます重要になると思います。



最後に、C認証やISO/IEC 42001を検討している企業に伝えたいことはありますか?


どの認証を取るかを考える前に、まず自社が何を説明できる状態にしたいのかを整理することが大事だと思います。


AIプロダクトを開発・提供している企業なのか、業務の中でAIを使っている企業なのか。国内の顧客に説明したいのか、海外の取引先にも説明したいのか。組織全体のマネジメントシステムまで整えたいのか、まずはAI利用の棚卸しから始めたいのか。


企業の状況によって、目指すべき認証や順番は変わります。


ただ、どの認証であっても共通しているのは、認証を取って終わりではないということです。AIはこれからも変化し続けます。自社のAI利用を把握し、リスクを見直し、運用を改善し続けることが、これからのAIガバナンスでは重要になると思います。



まとめ


C認証とISO/IEC 42001は、どちらか一方が正解というものではありません。


C認証は、自社のAI利用状況を把握し、リスクや対策を整理するための実務的な入口になりやすい認証です。一方でISO/IEC 42001は、AIに関するマネジメントシステムを組織全体で構築し、継続的に運用・改善していくための国際規格です。


重要なのは、自社がいまどのフェーズにいて、誰に対して何を説明できる状態にしたいのかを考えることです。


認証を目的化するのではなく、AIを安全に使い続けるための体制づくりとして捉えること。その視点が、これからの企業に求められるAIガバナンスの第一歩になるのではないでしょうか。



Elithでは、C認証の認定コンサルティング企業としてAIガバナンス体制の整備やC認証取得に向けた支援を行っています。組織でAIを活用するうえでのルールやガイドラインの策定、社内体制の整備などにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


「何から始めればよいかわからない」「自社の現在地を整理したい」といった段階でのご相談も歓迎しています。具体的な内容がまだ決まっていなくても、現状に応じた進め方から一緒に整理いたします。


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