ステッチ社がC認証取得に取り組んだ理由──「野良AI」を防ぎ、顧客とともにAI活用を前に進めるために
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更新日:10 分前

AIの活用が急速に広がるなか、企業には「どのAIを、どのようなルールで、どこまで活用するのか」を明確にすることが求められています。
今回、株式会社ステッチでは、AI活用に関する社内ガバナンスを整備し、今後の事業成長や顧客への信頼性向上につなげるため、C認証の取得に取り組みました。
本記事では、株式会社ステッチ代表の細谷様、C認証取得プロジェクトを担当された田中様・壬生様に、C認証取得を目指した背景、取得までの取り組み、Elithの支援を受けて感じたこと、そして今後の展望について伺いました。
C認証取得を目指した背景
C認証を取得しようと思った背景を教えてください。
細谷様:今年の頭ぐらいから、どうやってガイドラインを決めようかなとは思っていました。社内でもChatGPTをはじめ、Claude CodeやFigma AI、AdobeのAIなどがどんどん増えてきて、どうやって「これはいいけどこれはダメ」と定めていくんだろうな、とうっすら思っていました。
そんな中、JDLAからC認証という制度が始まります、説明会があります、という案内をいただいて、まさにこれじゃんと思いました。ヒアリングに行った時から、金額さえ合えば受けたいなと思っていたのが正直なところです。
C認証取得にあたって、不安なことはありましたか。
細谷様:最初のハードルになりそうだなと思ったのはリソースです。通常業務とC認証取得プロジェクトの両立ができるのか不安でした。田中と壬生に担当いただくにあたって、絶対この2人の上長から文句を言われるよなと思っていました。
一方で、実際にプロジェクトが始まってみると、担当者のお二人は想定よりも負担は大きくなかったと振り返ります。
田中様:担当することが決まった時は、自分たちですべて進めなければならないのかと不安に思っていました。実際に始まってみたら、Elithさんが規程類のひな形の作成から、こういう書類があればくださいといった指示までしてくださったので、個人的には思っていたより時間や工数はかからなかった印象です。
壬生様:枠を作ってくださったので、あとはそれに沿ってやるだけという感じで、すごく進めやすかったです。
取得までの取り組み・体制

C認証取得プロジェクトは、どのような体制で進められたのでしょうか。
田中様:今回、C認証取得プロジェクトを開始することが決まった段階で、G検定に合格している壬生と私に声がかかりました。
業務の分担については、私が主にElithさんとの窓口となって、具体的な対応は壬生や代表の細谷、社内でAIの利用を推進している社員などを巻き込んで取り組みました。
取り組みのなかで、特に苦労した点は何でしたか。また、どのように解決しましたか?
田中様:これまで社内のAI利用状況を十分に管理できていなかったので、利用されているAIの洗い出し方法を決める際に、特に苦労しました。
社内で検討した結果、社員名簿アプリに各自が利用しているAIを登録できる機能を追加し、全社員に入力を依頼したうえで、集計を進めました。
ElithとC認証取得を進める中で、特に助かった点があれば教えてください。
田中様:定例のミーティングでタスクを管理し、お互いの作業を明確に分担・指示していただいたことは、何を進めていいかわからない中で、とても助かった点でした。また、対応を進めている中で生まれる疑問に対してスピーディーに回答していただいたことも、非常に助かりました。
なにより、C認証は新しい認証制度ですので、弊社もElithさんも、お互いに初めての対応が多かったと感じています。見落としがあった時にはフォローし合いながら進められ、最終的に審査を終えられたというのは大きかったと思います。
C認証取得によって期待している効果
C認証取得が決まったとき、どのように感じましたか。
細谷様:C認証取得がゴールではなく、取得後の今からがスタートだと思っています。今回の認証取得によって、やっとAIの利用に関するガイドラインが社内で整備できたというところが一番大きい点だと思っています。
一方で、取得が決まって嬉しい反面、2年後に向けてどうやってアジャストしていくのかな、というところを審査の時にすごく感じました。変化の激しいAI業界にとって2年はとても長いので、審査項目やセキュリティ面の基準も変わっていく可能性があると思っています。情報を取得しながら、今後も引き続き、その時々の基準に合わせていく必要があると感じたのが率直な感想です。
C認証取得を、今後どのように活かしていきたいですか。
細谷様:僕らが業務でAIを活用するうえで悩んでいたことや、ガイドラインの必要性というのは、おそらく多くのお客様も同じように悩んでいると思います。自分たちがこうやって取り組んだよということをしっかり情報発信しながら、業界全体を巻き込んでいくことができればいいなと思っています。
我々デジタルマーケやクリエイティブの業界では、去年までは生成AIを使いましょうという姿勢だったのですが、今は使うことが当たり前になりました。ただ、ガイドラインがないと何をどう使っていいのか分からないんです。管理されていない「野良AI」が増えていってしまうと、後から使用が発覚して問題にもなり得ます。そういった問題を潰し、使用のガイドラインを設けたいというのは、僕らだけではなくお客様もそうだと思います。
早い段階からAI活用の体制を整えている証しとしてC認証を取得することで、AI活用に積極的な企業であることを示せると考えています。結果として、お客様から信頼を得られたり、より安心して業務をお任せいただけるのではないかと思っています。
顧客・社内・市場に対して伝えたいこと

AIガバナンスについて、今後どの企業にも必要になると感じていますか。
細谷様:AIを活用するうえでのガードレール、つまりAIガバナンスは、今後、企業規模や業種を問わず、どの企業にも必要になると感じています。明確なルールや管理体制がないままAIの利用が広がると、「野良AI」が社内に増えてしまいます。その結果、安全上や情報漏えい、著作権などのリスクをコントロールできなくなる可能性があります。
ただ、ガバナンスをいくら構築して社内に周知させたとしても、何を使っているかをまず把握しないと、AI一つひとつに対するリスクヘッジができません。今回の認証取得を進めるなかで、社内で使われているAIが何なのかを把握すること自体が、今後どの企業にも必要になってくるのだろうと強く感じました。
あくまでも個人的な見解ですが、個人情報におけるPマーク(プライバシーマーク)と同じような形で、AIを利活用する上で、認証制度は今後絶対必要になってくる制度なのではないかと思います。特に中小企業においては絶対おすすめだと思います。
C認証を取得していることは、企業にとってどのような意味を持つのでしょうか。
細谷様:20年前に「Pマークってそんなの必要なの?」と言っていたけれど、今は個人情報を取り扱うのにPマークを持っていないところはあまりない。それと同じような状況に、5年、10年でなっていくのではないかと思います。持っているから大丈夫というだけではないですが、「任せて安心な会社」になれるかどうかに関わってくるのではないでしょうか。
これからC認証取得を目指す企業に向けて、伝えたいことはありますか。
細谷様:先行して認証を取得した身として言わせてもらうなら、いずれ必要になるものなので、早いうちに取得しておいた方がいいということです。ただ、取得のハードルについて難しく考える必要はないのかなと思います。。そこに伴走してくれるパートナーがいれば、安心して進められますし、それがElithさんのような存在なのだと思います。
また、伴走してサポートいただけるメリットとして情報のキャッチアップができる点も大きいなと感じました。AIツールの管理については、自社だけだと調べるのが難しいケースも多いんです。他社の事例も含めて、「こういう形で管理しているところが多いですよ」といった情報をもらえて、自分たちの管理方法などをアップデートできるのが、伴走者がいる最大の理由だと感じました。
Elithから株式会社ステッチ様へのメッセージ
このたびは貴重なインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました。
C認証という新しい制度に対して、共に手探りで取り組めたことを大変嬉しく思います。インタビューで語っていただいた通り、C認証は弊社にとっても初めての対応が多く、正解が明確でない場面もありました。そうしたなかでも、細谷様・田中様・壬生様には常にオープンに疑問や課題を共有していただき、見落としがあった際にはお互いにフォローし合いながら、最終的に無事審査を終えられたことを心から嬉しく思っています。
「野良AI」を防ぎ、AIを安心して使える環境を整えることは、決して一社だけの課題ではありません。ステッチ様が今回築かれたガバナンス体制は、業界全体にとっても大きな道しるべになるはずです。これからも私たちElithは伴走者として、ステッチ様とともに、AIを安心して活用できる環境づくりの先駆者として歩んでいければと思っております。
インタビューにご協力いただいた企業様の情報
■ 株式会社ステッチ
顧客体験(CX)事業、キャリア育成支援事業、地域価値共創事業の3つの事業を中心に展開しています。
企業・自治体のWebサイトやデジタルコンテンツの企画・制作・運用支援から、組織の内製化支援、地域におけるデジタル人材育成・就労支援まで、体験を通じて人と社会をつなぐ取り組みを進めています。
会社名:株式会社ステッチ
代表者:代表取締役 細谷 洋平
事業内容:IMC(統合型マーケティングコミュニケーション)、コンサルティング、各種制作、システム構築からプロジェクトサイトの保守運営、広告代理業務
コーポレートサイト:https://www.stitch.co.jp/